はじめまして。キートナです。
私、赤いトナカイの回し者でございます。
《赤いトナカイの回し者》
まずはこのタイトルの説明をしたいと思います。
私の母は8年ほど前に64歳で他界しました。
病名は乳ガン。
病院に行ったときには手の施しようがなく、余命2ヶ月の末期ガンだと診断されました。
ですが結果、母はその診断から2年7ヶ月生きてくれました。
乳ガンは骨に転移しており、脊髄に損傷を及ぼし、入院2日目から寝たきりの状態を余儀なくされました。
寝たきりの状態での2年7ヶ月は働くことを生き甲斐にしていた母にとっては辛い辛い日々だったと思います。
母は亡くなるギリギリまで意識がありました。
ですが、最後の3ヶ月程は強い痛み止めの副作用で朦朧とする日々が続きました。
幻覚を見る人も多いと言います。
死の恐怖も伴って、何かに襲われる恐怖の幻覚、蛇がうじゃうじゃとうごめく幻覚など、聞くところによると色々あるそうです。
ですが、母の副作用はとてもメルヘンチックなものでした。
カーテンのレールの上をを3人の騎士が馬に乗ってパッカパッカと歩いてると言ったりしていましたね。
そんな中、母は自分の事を《赤いトナカイ》と言うようになりました。
私たち子供にも、病室のお友だちにも、主治医の先生にも自己紹介は
《赤いトナカイのミネエミコです。今日も元気です。》
と、言っていました。
なぜ、赤いトナカイなのか、聞くとキョトンとして
『知らんやったと?』
という顔をするので、聞くのを止めました。
そんなわけで、謎は迷宮入りとなってしまいました。
娘である私の事は《黄色いトナカイ》と名付けました。
なので、《私は赤いトナカイの回し者》の黄色いトナカイです。
はじめまして。キートナです。
8年間、いつか母の闘病の事を何かに残したいと思っていたので、これを機に書いてみようと思います。
母の事ばかりでなく、日常に思うこと、楽しい人間観察など、そんなことも思うがままに書いて行こうと思います。
どうぞ、宜しくお願いしますm(._.)m